*あたしの好きな人*


「あたしね、龍が心配だった。」

「何が?」

「なんか‥‥ケンカいっぱいしてるって聞いて。」

「‥‥でも、柚には関係なくね?心配って言ってっけど、終業式の日、いきなり走ってってそれっきりだろ。それでいきなり会いに来て心配だって言われても‥‥な?」

「うん‥‥そうだよね!勝手だよね!ごめん‥‥」


ヤバイ。。。。

泣きそう。。。。


もうくじけそう。


あたしの決心、
簡単に崩れそうだ。

あぁ、もう、ダメ‥‥‥



「ちょ、柚‥‥なんで泣くんだよ。」


「ごめ、なさい‥‥あたし、でも、どうしても、龍に、会いたかったの‥‥」


もう言ってしまいたい。

龍が好きだって。


でも言えない。
言っちゃダメな気がする。

まだほんの少しだけど、
細くて切れそうな関係だけど、
言ったら簡単に切れてしまいそう。


少しでも、友達じゃなくても、
ただの知り合いでもいい。

龍との関わりをなくしたくない。

いっそのこと、
関係をすっきりなくしてしまったら
楽になれるのかもしれない。


でも、忘れられそうにないよ。