*あたしの好きな人*


あたしの目の前には、
龍がいる。



「柚‥‥お前こんなとこで何してんだよ。危ねーだろ。」


「えっと、あの‥‥あたし‥‥‥」


「さっきみたいなヤツ多いから、こんな時間にここら辺ウロウロすんな。」


「‥‥‥ごめんなさい。」


怖い。
龍が怖い。
怒ってる?

なんか、龍が、
ちょっと前の龍が
今は全然別人のように感じる。




「はぁ‥‥家まで送るか?」


あたしは少し考え、首を横に振った。


「‥‥じゃぁ、気を付けて帰れよ。」



龍‥‥
あたしと話す気はなさそう。



あ‥‥
龍の背中がだんだん遠くなっていく。





ダメ!諦めないって決めたじゃん!