ヒールを履いているせいで
なかなかうまく走れない。
あっさりとあたしは男に捕まった。
「逃げることないじゃん!大丈夫だからこっちおいで〜。」
また引っ張られた。
あたしは諦めずに足に力を入れる。
‥‥もう、早く諦めてよ。
こんなに嫌がる女なんてほっとけばいいのに。
この男、めちゃくちゃしつこい。
龍に見つかっちゃう。
未だ龍は暴れている。
どうしよう。
どんどんコンビニに近づいてる。
「あの!ちょっと!」
あたしは男に叫んだ。
「ん?何?」
何?じゃないよ。
「あの、あたし‥‥‥‥‥あの、腕痛いんで離してくれません?」
「え〜、離したらまた逃げるじゃ〜ん?」
「逃げません。」
逃げるけどね。
もう一度走ってみる!
「ほんと〜?」
「はい。」
「じゃぁ逃げたらどうする?」
「は?」
何よ!こいつ!うざすぎ!
「逃げたら〜‥‥ははは!また捕まえるけどね〜。」
ダメだ‥‥
こいつから逃げられない。
もうやだ。
「柚!!」

