ゆきちゃん


誰かがあたしの名前を呼ぶ。


あぁ、亮くんか。
待ってて、すぐそばに行くから。いつもみたいに、あの道で待ってて。


胸が圧迫される気分と供に、私は目を覚ます。

亮くん…

思い出そうと思ってもその名前だけ。

それだけしか思い出せない。


誰だろう…

あたしをゆきちゃんなんて呼ぶ人、いないのに。


そしてあたしはまた眠りにつく。

大好きな大好きな、健一のとなりで。