霙と呼ばれた猫

「僕は御堂裕一宜しくね!」

僕は子猫に自己紹介をした。
「君の名前どうしような?真っ白だな。今日振ってる雪からとった名前はどうかな?」

そういって半分空いた窓に手を出す。
「あれ?これ雪じゃない。何だこれ?」

その時ドアがノックされた。

コン!コン!
「裕一様!お食事をお持ちしました。こちらにおいておきます。」
「待って!」

お手伝いさんに話しかけたのは何日ぶりだろうか?

「はい?なんでしょう?あまりお口を聞いてはならないと奥様に」
「今、振ってる雪みたいな、雨みたいな物は何?」
「は?今振っている・・・これは霙ですね。」
「ありがとう!それだけだから!」

お手伝いさんは階段を下っていった。

僕は白猫を抱きかかえると言った。
「君は霙だ!空から降ってきた。僕の天使。霙」

今日のお昼ご飯はスープとパンと牛乳。
そしてマスの蒸したものだ。
「霙!何か食べたい物はあるかい?」

霙の前に食材を並べるけど霙を食べようとしない。
牛乳をスプーンの上に少したらしてみたけど臭いをかぐだけで飲もうとしなかった。
「そうか!冷たいんだ!」

僕はスプーンにのった牛乳を暖炉で温めた。
すると霙はペロペロと牛乳を舐める。

すごく嬉しかった。
「美味しい?」

すぐに飲んでしまいまた欲しそうな顔をしたから僕は自分の食事も忘れて
霙に牛乳を飲ませてあげた。