リンゴアメとキミ


「食紅…ですか?」

さっきまでの笑顔が消え困ったような顔になり

「少々お待ちください。」

そう言ってどっかに行ってしまった。

言われたまま買い物カゴ片手にその場でじっと待ってる俺…

食紅って希少価値なもんなのか?

そんなバカみたいなことを考えていると

さっきの人が戻って来た

そして

「申し訳ございません。当店では…扱ってないようで…。」

申し訳なさそうにして言った。

そっかぁ。はぁ~。

心の中で大きくため息をつく。

『そうですか。分かりました。どうも…じゃあ。』

無理やりその店員さんに笑顔を向けて

レジに向かって歩き出そうと背を向けると

「あの!!お客さん!!」

後ろからそう呼び止められた。

『はい?』

そう言って振り向くと

「ここで働いてる私が言って良いとは思えませんが…食紅売ってる店…知ってます。」

と周りの客を気にしながら小さめの声で言った。