今思えば、あいつは最初から変な女だったよ。


だってよ、俺の中の女なんて、金と地位に飛びつくやつ。


みんなそうだと思ってた。

いや、そうだったんだよな。


だけどな、俺のした質問には拍子抜けの答えが返ってきた。



『なぁ、お前は何がほしい?好きなもん何でも買ってやるよ。』


大抵の女はブランド品って言うよな。


所詮そんなもんか…

こいつも…。



『気持ちが欲しい。愛情をくれるのが一番嬉しいから』


えっ?


ありえない答えに俺はくわえてたタバコを落とした…。


俺の同様が見抜かれたのかもしれない。

『偽りの愛もお金もいらない。あの世では無意味だからー…』


そう言って笑ってたよな。


あれから忘れられなくなったんだ。


こいつなら、真実の愛ってモンを教えてくれんのかなとか柄にもなく期待しちまったんだ。