あの夜、台所の片付けが終わると忍も俺たちの話しに入ってきた。

 女の子の様に臑を両側に出してちょこんと座った。俺たちのえっちな話を目を丸くして聞いている。

「・・・おい、忍クンにはまだ早いんじゃないか?」
 と鳥居に言うと、

「何、少し勉強させないとな。こいつ晩稲(おくて)のくせに結構、女に持てるからな」
「ふーん。忍クン、持てるんだ・・・可愛いから当然か」

 やはり男の子は男の子だ。

「兄貴は俺に女の子の選び方なんかうるさく言うんだよ。別にまだ興味ないのに!」
「お前な!男が十五、六になれば毎日マスかくんだぞ!いつでもやりかた教えてやるぞ」

 忍は兄にあっかんべえをして、
「冗談!兄貴になんかに触らせるかよ!」

 すると、俺の方を見て恥ずかしそうに言った。
「・・・吾郎さんに教えて貰おうかな!」

 俺はコーヒーを思わず吹き出した!

 鳥居は俺の様子を見ていてにやりとして、
「そうだな・・・吾郎、お前まだ童貞だろう?忍に教える代わりに、筆下ろしさせて貰えよ」