「………ただいま」
リビングのドアを静かに開けて、私はゆっくりと中に入った。
「………竜人?」
だけど、周りを見渡しても竜人の姿は無くて、私が軽く名前を呼んでみると、
「………ん…」
ソファの近くで、微かに声が聞こえた。
静かにソファに近づいていくと、帰ってきてすぐに寝てしまったのか、
カバンを抱えたまま、竜人がすやすやと寝息をたてていた。
「……子供じゃないんだから、せめてベッドまで行ったらいいのに」
写真におさめたい衝動(?)を抑えて、布団でも掛けてあげようと、寝室まで向かおうとしたとき、
「…まって……愛花…」
いきなり腕をしっかりと握られて、私は足を止めることになった。
