「……ていうかね。将希ちゃんは天宮サンのことどう思う?」
「……どうってなぁ」
突然真剣な顔をした香奈を見て先生は少し戸惑った。
「天宮っていえば、あの清楚で可憐な千穂先生のことか?」
ちょっと困った顔をした先生が口を開こうとした時、叶多が話に入ってきた。
「まぁ、俺は断然愛花のほうが可愛いと思ってるけど」
ふふん、と得意気に言うけど、無視。
「……まあ叶多の言う通り清楚で可憐なカンジじゃねぇの?……俺はあんまり好きなタイプじゃないけど」
興味なさそうに、プリントに目を通しながら先生が答えると、
「ふーん。そーなんだ」
と、少し嬉しそうに香奈が言った。
………ん?
……なんで香奈が喜ぶの?
もしかして、香奈って……
なんて思ったけど、今はそれどころじゃなかったから、すぐに考えるのを止めた。
とりあえず今は天宮先生のことだもんね。
