「う゛っ、うぅー」
「………」
「うっ、ひっく…」
「…………」
「う……う゛ぁ『だぁー!!うるさいうるさい!!』」
香奈はおもいっきり私の頭を叩いた。
「いったぁーい……」
机につっぷしたまま、私は頭を押さえる。
遊園地デートの翌日。
どんなに嫌なことがあっても、学校には行かないわけにはいけないもので。
今日も私は香奈の前で泣いている。
「……で?何かあったんでしょ?」
少し呆れながらも、ちゃんと心配してくれる香奈は、やっぱり優しいよ。
私は昨日の出来事を全部話した。
「……マジ?」
「……マジだょ」
これには香奈も驚いたみたいで、目をぱちくりさせた。
「天宮ってあの美人保健医でしょ?」
「……うん」
香奈は超健康なので保健室なんてほとんど行かないから、天宮先生をあんまり知らないらしい。
私は時々だけど行くことがあるので、名前くらいは覚えられている。
