「なっ?バレなかっただろ」
女の人達がそばを離れた途端、竜人はいつものように表情を和らげた。
「良かったの?大事なファンの子達なのに」
私だってその子達と同じファンだから、あんな言い方は少しかわいそうに思えた。
「それに、もしさっきの子達が怒って変な噂流したりしたら、竜人の人気下がっちゃうかも……」
私の心配をよそに、竜人は少し怒ったような顔をして、
「人気下がるよりデート邪魔されるほうが嫌なんだよ」
なんて恥ずかしい言葉を呟いた。
………な、なんて恥ずかしい言葉をおっしゃる…
「おい。顔赤いけど」
「うっ、うるさいなぁ!!」
私は慌てて手で顔を覆った。
……もうっ!!
私は心の中で竜人に怒ってみた。
竜人は時々、こうして何の前触れもなく甘い言葉を言ってくる。
それはかなり恥ずかしくて、それでいてうれしかったりするんだ。
また恥ずかしくなって、指の隙間から竜人を見たら、
いつものように意地悪っぽく微笑んでいた。
