竜人の側にいれるのが、当たり前になっちゃってたから。
今の状況を辛く感じてしまうだけなんだ。
『まき……』
竜人は、そう切なそうに名前を呼んで。
『―チュッ』
2人は深くキスを交わした。
「……ッ!!」
―ブチンッ
反射的にテレビの電源を消す。
「……ッう…」
泣いちゃダメだ
キスなんてドラマなんだから仕方ない
寂しくなんかない
そう言い聞かすけど、やっぱり自分の気持ちにウソはつけなかった。
「竜人……会いたいよ…」
呟いた言葉も、白い壁に飲まれて消えていく。
あぁ、ダメな女だなぁ……
そう思ってた時
――ガチャッ
家の扉が静かに開いた。
