―ガラッ
そんな時、教室の扉が開いた。
「はょー」
「おはょー叶多!」
「叶多くんおはよぉ」
「おはようございます叶多さん」
取り巻きのあいさつで、叶多だってことが見なくてもわかる。
相変わらずモテてるな……
今では、ファンクラブもあるっていうウワサもあるらしい。
しかも、最近、叶多はめちゃ積極的だ。
文化祭の時から、私にもっと話しかけてくるようになった。
しかも、けっこうドキドキする言葉が多かったりする。
「おはよ、愛花」
私をまっすぐ見つめる叶多の瞳は、茶色くて透きとおっている。
「おっ、おはよう?」
ぐわぁーー!!
なんで疑問形!??
心の中で頭を抱える。
「そんな顔してたら可愛い顔が台無しだよ」
そう言って、叶多はククッと軽く笑った。
またそんなこと!!
私は口をパクパクする。
「はぁー」
竜人とのこともあるのに、
叶多の悩みまで増えちゃうよ……
