「……ふぇ?」



……意味がわかりません。


「だーかーら!!」


ガバッといきなり竜人が離れる。



「そのカッコ!可愛いすぎんの!」



「……はぁ?」



「だから……誰にも見せたくねぇの…」


ふて腐れたように、顔を真っ赤にした竜人が呟いた。


「なッ……!?」



言い返そうと思っていたのに、竜人らしくないことを言うからつい黙ってしまった。



「ごっ、ごめん……」


なぜか謝ってしまった。




「え?あ…うん……もっ、戻ろっか?」



「そっ、そだね……」



何だかギクシャクしながらお店に戻った。






―ねぇ、竜人?



ちょっとびっくりしたけど、本当はすっごく嬉しかったよ?



私があなたを思うように、


あなたも私を思ってくれてるんだね。






いつまでも、この幸せが続けばいいな……



強く私は願った。






でも。



そんな私の願いは、儚く散ることになるなんて。



今の私は知らないし、それはもう少し後の話になる。