「……ったく…」
ポリポリと、竜人が頭をかく。
「あのさぁ…竜人?さっきのは……」
俯いてる竜人の目線に合わせようと、竜人の顔を覗きこんだ。
「うん?……って、おわッ!?」
フッと目線を上げた竜人が、奇声を上げてまた俯いた。
―プチッ
私の中の何かが切れた。
「何で目合わせてくれないの!!さっきだっていきなりキスするし!何で突然店から引っ張ってきたの!?」
私の怒りはもう爆発した。
「………。」
でも。
そんな私をよそに、竜人は無言だ。
「……もういい!帰る!!」
何も言わない竜人に腹がたって、私は店に戻ろうとした。
でも。
「きゃッ!?」
竜人の長い腕が、しっかりと私の腕を掴んで、自分のほうに引き寄せた。
「なッ!?……ちょっ、ちょっと!?」
いきなり抱きしめられる形になって、私の頭は混乱した。
「お前さぁ。何回俺の理性飛ばせば気がすむんだよ」
竜人が耳元でそっと囁いた。
