「いらっしゃいませ〜」
「笑顔が固い!もう一回!」
「いらっしゃい……」
「目が笑ってない!」
「いらっ……」
「声がカワイくない!笑顔が恐い!!」
―プチッ
「いっ……」
「もう一っか『だぁぁー!!!』」
私の中の何かが切れた。
「もうムリだって!私にはムリ!!」
私は、ドスッと側にあったイスに座った。
―始まって10分後。
「ちょっと愛花!こっち来て!!」
すぐに香奈に呼び出されて、お店の裏に連れてかれた。
「あんた、笑顔が固い!そんなんじゃお客さん来ないよ!」
「笑顔って言っても……面白くもないのに笑えないって」
どうやら、私の笑顔が不満らしく、
香奈は腰に手を当てて、
ムッとしていた。
「訓練あるのみ!愛花、練習だ!!」
えぇー、そんな!!
「ビシビシしごくよ!!」
「うっ、……イーヤーだー!!!!」
それから香奈先生のミニ講座?が始まった。
