―そして。あっという間に文化祭当日。
「きゃー!愛花カワイイ!抱き締めたーい!!」
「いや、もう抱き締めてるから……」
大きなメイドが小さなメイドを抱き締める、そんな変な状態に、
「はぁー。なんでこんなカッコ……」
と、ため息が出た。
「なぁーに言ってんの!これこそ女のロマンよ!ねっ?叶多?」
「その通〜り!メイド喫茶は男女問わず、永遠のロマンなのだ〜!!」
2人して肩を組んで、遠くの方を指差している。
ちょうど太陽の光が射し込んで、2人の背中が眩しい。
はぁー。
もう一度、私は大きなため息をついた。