―ビシッ!
「∑あだッ!?」
いきなり竜人にデコピンされて、
私は現実に引き戻された。
「何妄想してんだよ」
ニヤリと竜人は笑う。
「あはは……」
私は曖昧に笑った。
妄想の竜人にときめいてました。
なんて言えないし。
「そっかー。愛花のメイド姿楽しみだな〜♪」
叶多と全く同じように、竜人は言った。
そんな竜人に私は、
「ぜーったい来ないでよ!」
ビシッと指をさして言った。
「えぇー?なんで?」
22歳とは思えない口調で竜人は言う。
だけど……!!
「絶対ダメ!もしバレたりしたら取り返しがつかないじゃん!」
「う゛ぅ……」
竜人が言葉を詰まらせた。
……勝った!
「じゃあお休み♪」
勝利を確信した私は、先に部屋に戻った。
「……ダメって言われるほど行きたくなるんだよな〜♪」
竜人がそう呟いて、ニヤッと怪しい笑いを浮かべていることなんて、気づかずに。