突然、香奈が真剣な顔になった。
「別に、するもしないもアンタが決めることだけど……いつ、その人が消えるかわかんないんだよ?」
「……え?」
「明日にも、来週にも、その人が一緒にいるかなんて保証できないの。突然、消えて、一生会えないことだって……」
香奈の表情が突然曇った。
「香奈……?」
「あっ!私なに言って……!忘れて!!今言ったこと全部!!」
ハッと我に帰った香奈は、
私を必死で揺する。
「あぁぁ、わがったがらぁぁ!はぁなぁじぃで……」
(うん、解ったから離して……)
「あはははは……」
香奈は、苦笑いをしながら私を離してくれた。
……昔、なんかあったのかな?
忘れて、って言われたけど
やっぱり少し気になった。
