自分の娘を疑いの眼で見つめる勘の鋭い母から寝ると言って逃げた。


寝る前に思い出されるのは河川敷での出会いとさっき母に問い詰められた時のこと。


“…恋したんじゃない??”


母の言葉が頭から離れなくて、その言葉に反応して頭に思い浮かんだのは谷川サンの顔だった。


まさか、今日初めて出会った人に恋だなんてありえないから…。


自分に言い聞かせてそのことを頭から追い出し、目を閉じると疲れていたのかすんなり夢の世界に落ちていった。