「聞いてない。」


「憂姉!!今そんなこと言ってるけど、この人見たら何も言えなくなるんだからなッ!!」


「あー、はいはい。」


「憂姉っ!!TV見てよっ!!」



キャンキャンと犬みたいに吠えてるのが、正真正銘、血の繋がった弟の翔太(ショウタ)。可愛いんだけど、サッカーのことになると熱くなるのがたまにキズ。


そう言ってTVを指差す翔太にチラッと目をやってからTVを見ると、そこには試合を終えてインタビューを受ける選手がいた。



「な??憂姉、カッコイイだろ??」


「そうですね。」


「憂姉、ホントに女子高生…??」


棒読みで答えたあたしを冷めた目で見てくる翔太を睨んで視線を手元のケータイに戻した。






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