暑苦しい人混みを抜けて目に映った世界はあたしにとってただ奇妙に思えてならなかった。
先週隣で笑っていた人が、ほぼ毎日連絡を取り合っている人が今、目の前のグラウンドの真ん中に立って人々の注目を浴びている。
奇妙に感じるキモチとともなってモヤモヤとしか言いようのないキモチが溢れて止まらない。
……やだやだやだやだ!!
……離れないで!!遠くに行かないで!!
………置いて行かないでよっ!!!!
心は叫んでいるのに声をかけることも目の前のフェンスを越えることも出来なくて、ただ注目を浴び続ける修斗を見つめることしか出来なかった。
「「ちょ!?どうしたの!?なんで泣いてるのよ!?!?」」
頬を触ると涙が手に落ちた。
二人が心配して声をかけてくれたり、頭を撫でたりしてくれたけれど涙を流す理由を話すことも出来なくて、ただ流れつづける涙をひたすら拭うことしか出来なかった。
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