善輝は今すごく忙しいから家に帰るのは夜中なんだと思う。


あたしはお母さんに事情を説明した。


｢お母さんが止めても、彩乃は行くんでしょ？
でも、今夜一晩待って会えなかったら帰ってきなさい。
会って話ができるようならメールでもして。それまでお母さんも起きて待ってるから。｣


行くのを反対するどころか、あたしの背中を押してくれたお母さん…。


ありがとう。お母さんがお母さんで良かったよ。あたしは親にも、友達にも恵まれてるって思うよ。



夕方に家を出て真っ直ぐ善輝の家に向かった。
合鍵は持ってるけど、入らずに玄関の前で待つことにした。