この時、俺は自分の無力さを思い知った。


自分ではどうすることもできないことに無性に腹が立った。


「くそっ…」


そう言って俯いた俺の頭を有田は優しく撫でた。


案の定、報道陣に囲まれた俺。


「桜田さんとの熱愛報道について一言お願いします!」


そう言われ


「報道の通りです。」


そう言った。


ごめんな、彩乃。
俺はお前だけなんだ。本当に彩乃だけなんだよ。


なのに…


本当にごめん。
今すぐにでも会って説明したい。きっと彩乃は泣いてる。そんな彩乃を抱き締めてやることもできない俺。