「うん。」


真剣に話す善輝を見ながらあたしは返事をした。


「でも、俺がどんな女優とキスシーンとかやっても、俺の心の中にいるのは彩乃だけだから。これだけは分かってて欲しい。」


そう言って善輝は頭を下げた。


あたしって何てバカだったんだろう…。
こんなにも善輝に想われてるのに素直に善輝の仕事を応援してあげられないだなんて…。


「あたしの方こそ、ごめんなさい…。
善輝を応援するなんて言ってたのに、困らせるような事ばっかり言って。」


善輝をあたしのワガママで苦しめたんだと思ったら、そんな自分が情けなくて涙が出た。