「わ、分かった…。善輝とは別れるから…だから、記事にはしないで。」


あたしはそう言うことしかできなかった。


だって、一番側で善輝の頑張る姿を見てきたから…。芸能界っていう厳しい世界でがむしゃらに…一生懸命に仕事してきた善輝を見てきたから…。


邪魔なんてできないよ…。


『分かればいいのよ。
じゃ、そういう事でよろしくね。』


その言葉と同時に電話は切れた。


公園のベンチで呆然とするあたし。


ゴメンね、善輝。


吹き付ける風が頬に冷たく当たる。
心の中にまで寒さを吹き込むようだった。