「まぁ、聴いてろって!」




そう言ってまた花びらを唇につけた時、





―…♪~……





「は?何でそんな音……」




耳に優しく響いた音。




俺じゃない。




―…♪~……




「って、お前じゃねぇのかよ!」




手に持っている花びら。




また鳴り響く優しい音。




なんの音だろう……




「おい!晴弥!?」




俺は無意識にその音の方へと惹かれて行く。




近づくにつれて、もっと輪郭が見えてくる音色。




単音はやがてメロディに変わって……