それからあっという間に文化祭。




春に文化祭なんて。




けど、俺は毎日、音楽室に行った。




文化祭なんて知らなかったくらいだし。




「晴弥!もうすぐだぞ!」




健斗が俺に声をかける。




俺は、今行く、と答えてから、美那さんにメールを送った。




『今から、野外ステージに来てください』




美那さんはきっと来てくれると信じて。




野外ステージに行くと、すでに人はいっぱいだった。




ヤバい……




緊張してきた。




「八木さん、次どうぞ」




司会の人が、俺の名前を呼ぶ。




そう、俺は……