「まさか、変な敵が現れてて、呪術を使って、そいつと戦えとか」


「言わんわい」


爺が顔だけ空中に現れてあたしに言った。


「不気味だから、そんな現れ方はやめろ!」


其れを見たあたしは、力一杯叫んだ。


その現れ方は、はっきり言って怖い。


兎に角、教えてくれるものは、素直に教わる決心をしたんだ。それが今見たいな感じでは、決心が鈍るじゃ無いか。中途半端に出てくるな、あたしは心の底から、そう思った。


         ★


日曜日、爺は姿を現さなかった。


勇んで現れるかと思ったが少し拍子抜けした感じがした。