則子が口を挟んで来たから何となく話が拗れそうな気もするし。などと思っている内に、紀美代と紀子が、何やらひそひそと話し始めた。おいおい、2人で何を話してるんだ。


「貴子が悪い!」


突然則子があたしに向き直ると、びしっとあたしを指差した。


「ちょ、ちょっと、なんでああたしが悪くなるわけ?」


「だって、貴子、幸の事、紀美代が好きなのを知ってて、無理矢理強奪しようとしてるんでしょ?」


「ちがう~!」


「じゃあ何で幸が一生懸命貴子で薬の効果を確認しようとしてるのよ。ひょっとして貴子、自分で惚れ薬を使って幸を誑かせて、しかる後に幸に自力で惚れ薬を作らせて、相思相愛に成ろうとしてるんじゃない?」