あたしは何気なくそんな質問を則子にした。


しかし、それは失敗だった。


彼女と彼氏の赤裸々な交際状況を延々と語り始めたのだ。


則子の全身からはハートのマークがほわほわと漂い出て、あたしの目の前をかすめて飛んで行くのが、はっきり言って鬱陶しかった。


あたしは漂ってくる、どピンクのハートを、しっしっと払い退けると発生源から一歩離れて歩く事に成った。


そうして校門迄、2人で歩いていると、門の前に誰かが佇んでいる姿が見えた。