「ちょっ…じ、爺!」


呼び止めるあたしを無視して爺はふっと消え去った。


後には巻物をびろんと広げたあたしだけが残った。


しょうが無い。


又「四角」に聞いてみよう。


そう思うと、あたしは巻物を元の状態に戻し明日忘れない様に鞄の中に放り込んだ。


「幸が成功したのかぁ…それであたしを実験台にしたって事か」


あたしはぼそっと呟くと、窓の外に視線を移した。同時に雷り雲が、こそこそと地平線に隠れるのが見えた。