先ほど受付をしていた女性が会場に入ってきた。
「モニターの皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。後10分程で説明会を開催いたします。説明会中は携帯の電源はOFFにしていただきますようお願いします。ご用のある方は今のうちにお済まし下さい」

 3時少し前に、スーツを着た幹部3人が説明会に入って来て、正面の席に着席した。
3時ちょうど、案内係の女性がマイクを取った。
「モニターの皆様には、本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。私は本日の司会を勤めさせていただきます、開発2課の椎名久美子と申します。よろしくお願いします」
「では、弊社の出席者3人を紹介します。皆様から向かって左側がシステム開発部長の南、中央が社長の飯島、そして右側が開発2課課長の後藤です。よろしくお願いします」
「弊社を代表しまして、飯島より挨拶があります」
 「本日はお忙しい中、ご足労いただき、誠にありがとうございます。今回、皆様にモニターしていただきますゲームは、我が社の社運をかけて開発したもので、午前中に開催しました株主総会で概要説明し、了承いただいたばかりでございます。…」
 「続きまして南から、挨拶があります」
「先ほど社長からもありましたが、今回モニターしていただくゲームはほぼ開発が終わり、半年後に発表予定でございます。…」
 「続いて後藤より、ゲームの概要を説明します」
「本日はお疲れ様です。挨拶が続きましたので、私はゲームの概要を説明します。まず、今回、開発中のゲームは、皆様もご存知の我が社ドラゴン・バスターシリーズを凌ぐものと自負しています。モニター募集広告でモニター終了後、百万円と高額な謝礼にビックリされたと思いますが、それだけ凄いゲームです。百万円、欲しいですよね?」
「はい」
全員が頷いた。