12‐3 ねむる



「だから言ったんだ」


あきの父親があきの肩をつかんで言う。



「ちょっとあなた…」


「あんなやつと一緒にいてはいけない。いますぐ別れなさいと」



「やめなさいよ。あきはまだ元気になってないのよ。」



「…すまない」



肩から手をはなした。


「わたしは必ず起訴してみせる。死んだからとにがすものか。つぐなわせてやる」



「…」



「だからお願いだ。けいさつに話をしてくれ。ひどいことをされたんだろ?あき。」



「いいかげんにしなさいよ。この子だってつらいのよ。だいたいあなたはいつもね…」



「いつもは関係ないだろ?だいたいお前こそな…」



あきは空を見ていた。


…そう、いつきは死んじゃったのか、と受け入れた。