8-7 ねむるひめのなまえ




優樹 って名前をつけようとしていた、とあきが話してくれた。




目が覚めてからぼくらはただ手をにぎりあっていた。




男の子みたいな名前だけど元気なこの子にはにあう名前だって。



腹をけるんだってもういないおなかをなでた。



そうしきもしてあげられない。



うまれてくることも出来なかった。



きっといつきに似て犬みたいな顔していたかもね、と言う。



はじめてぼくがくちをひらいた。



あきに似てくれるとうれしいけどな、って。



女の子はお父さんに似るからね。



ぼくらはたくさん優樹の話をしたんだ。



そうしてやらないと優樹はほんとうにいなくなってしまう。



ぼくらは忘れないようにこの日を誕生日にしようと決めた。



毎年、いわおうって決めた。