6‐3 待つ



仕事が終わったあきにこえをかけた。ここではなんだから、と近くのダイニングバーにさそう。あきは歩きながら話して、と言い、一人で足をすすめた。



ぼくは早足でとなりに。



「…ごめん、あんときはさ…つまりよっていたんだよ」



「…」



「ぼくらの子ってのはわかってるし、うたがったりしてるわけじゃないんだ。ほらタダシくんたちのこともあってつかれていたんだ。」



「…それだけなの?」


ちいさなこえでつぶやいた。



うん、と答えるのにはしばらく時間がかかった。



「…じゃあいい。もう家だから」



そう言われるとぼくは何も言い返せなかった。



角を曲がるとあきの家があり、ぼくはその角で足をとめた。