6-2 せいねん






「それはいかんよ青年」




一通り話し終えたぼくにちひろせんぱいは言った。





「やっぱりダメですよね。でも」




「いいわけしない!」




「すいません」




ちひろせんぱいになら素直になれる。ミッキーの耳なんていらない。




「じぶんの子かどうかなんて聞くのは女の子からすればキツイ話だよね。ましてや言い返せないような子だったらかなりストレスになるとおもう。子供がいなきゃ別れるレベルのことだよ。」



「そんなにですか?」




「男はわかってない。さっきから聞いてるとさ、じぶんばっかり傷ついたみたいな言い方するけどあきちゃんの方が傷ついてるよ。バカ。あんたしっかりしなきゃ。父親になるんでしょ?」




「はい」




「メールなんていってないでちょくせつあやまりにいきなさい。明日に。」




「仕事があるんですが」




「いいわけしない!おわってからも時間あるでしょ。しょくばにいなきゃあきちゃんの家までおしかければいいんだって。あきちゃんが好きなんでしょ?このままじゃあはなれていっちゃうよ。」




「・・・」




はぁ、とかみをかきあげながらため息をはいたちひろせんぱい。




「とにかくあしたあやまりにいきなさい!」




ジョッキに入ったビールをあおりながらちひろせんぱいが言った。