ミントの体の中では、
だんだんと食べたも
のが喉を通過し、胃
に入って消化され、
体の各部署に運ばれ
ていくように、じん
わりと血液の流れに
乗って全身に駆けめ
ぐるように、リョク
のことが体中を走っ
ていく。

そして、体中を一周
した時、全ての体液
が涙となって流れ出
てしまうかのように、
涙が溢れ、止まらな
くなった。

何も見えず、
何も聞こえない。

それでもまだ、
リョクの死を信じら
れた訳ではないし、
受け入れられたわけ
でもなかった。


どうしても溶けない難
しい数学の問題を出さ
れて、どうしてもわか
らなくって、全然わか
らなくて、どこを、ど
うしたらいいのか、本
当にちんぷんかんぷん
で、公式も数式も、宇
宙人語みたいな文字の
羅列が目の前を行進す
るだけで、意味不明で、
ずっとずっと悩んで考
えて、苦しくて苦しく
て、頭を分解したくな
るほどの辛い時間の連
続で。

そんな時間がその時か
らずっとずっといつま
でもこのまま永遠に続
いていくようで・・・
いっそこのまま気を失
って、何も考えられな
くなってしまいたかっ
た。