たまにふと思い出す
夏休みの宿題を
ひとつやり残したまま、
そのままにしているよ
うな。

それは、リョクのこと。
あれから会っていない。

なんとなく、あれ以来、
ミントの心の中に
彼がいた。

くじけそうになったり、
自分を否定しそうにな
ると、
リョクのことを思いだ
し、彼の言葉を思いだ
し、自分に言いきかせ、
励ました。

リョクはいつの間にか、
なくてはならない、
とても大切な存在に
なっていた。