家の中に入り、まだがらんとしたリビングへ行くと、母はソファに横になっていた。 母の眠るソファの他には、テレビやテーブルくらいしかない殺風景な部屋。 窓からさす夕陽がフローリングを鮮やかなオレンジ色に染めてゆく。 あたしと母の影がだんだんと伸びてゆく様子をぼんやりと見つめながら、改めてここには母と二人しかいないという実感が沸いて来る。 本当に離婚したんだ。 今までだって父が家にいることは少なかったのに。 何だか無性に寂しさが沸き上がって、あたしはそっとその部屋を出た。