スリーズ・キーノート


「お兄ちゃんは知ってたみたい。どうしようか迷ってたみたい。男として取れなかった、でも彼女の事は好きだった……。でも別れた今、彼女を傷つけた今、出来る事は無いって思ったたみたいだけど……。」
「ど?」
「……子供、引き取ろうとしてたみたい……。」

で、出来んのそれって?兄ちゃんただの引きこもりだったんだろ?
色々突っ込みたかったが、真面目な空気だったのでやめた。

「子供は自分が育てて……彼女には新しい人生を歩ませたかったみたいなの。」
「かっ……。」

簡単に行くわけねー……。でもまあ、その気持ちだけはとりあえず理解したよ。
でも、まだ決心出来ずにキキの部屋に引きこもってたわけね。
もう非現実的過ぎる。なんつーか、色々かっ飛ばし過ぎてるよ。



「愈河さーん。」



空気を読んだように、受付の人が俺を呼んだ。
キキは、お金払うね、とソファから立ち上がり、受付へ向かう。反対俺は、ただその後ろ姿を呆然と見つめていた……。