図星を指され少し動揺してしまう。


「そ、そんなことより渚!どうやってこの中
に入ったの?鍵、必要なんだよ。ここ」

「んなことぐらい知ってるっつーの。あの窓
割ったんだよ」


渚が首を傾ける方向を見ると、見事に割れて
いる屋上の窓。


「うわー…ワルだー。てか、さすが背ちっさい
だけあって通れるんだね。割れたとこ」

「てめ…褒めてんのか、ケンカ売ってんのか
どっちかにすれよ」

「あれ?もしかして背のこと気にしてる?」


なんだ。可愛いとこあるじゃない。


「何、にやけてんだよ。気色悪ぃな」


相変わらず毒舌だけど。


「ふほほ。へへへ」

「頭、逝ってる」

「へーっへっへっへ」


渚が静かに笑った。はじめての笑顔。

なんだかそれが無性に嬉しくてあたしもにっと笑って見せた。