「レンはブランコに乗るの初めて??」


あたしは立ちこぎしながらレンに聞いた。


「…ええそうですね。初めてです。でも悪くないですね。」

そう言うレンにあたしは「レンも漕いでみたら?」と教えた。


レンはぎこちなく漕いでいてあたしは慣れているから高く高く…と漕いだ


「…昔ね、まだお父さんとお母さんがいた時ね。よくお姉ちゃんとこのブランコに乗ったのっ!」


ブランコに乗りながら早紀は昔のちっちゃい頃の話をレンにした…。


「へぇ~そうなんですか」


レンは早紀の話を静かに聞いた。


「両親が共働きだから。いつも家にいなかったからお姉ちゃんがよく連れてきてくれてね、泣いた日も悲しい時も……いつもいつも一緒に乗ってくれたの…。」


キコキコとブランコの音だけが鳴り響いた。


漕ぐたびに風が舞おこって…。

早紀の髪が風になびく。

そんな中レンは…


「早紀にとっては思い出の場所なんですね。」


レンの言葉に早紀は目をつむり、


「うん。そうだよっ!とても大切な場所だよ。」


昔を感じしばらく早紀は漕いでいた。



そして漕ぐのをやめるとだんだんとブランコの揺れが小さくなり止まろうとする。


早紀は足を地面につけピタッとブランコをとめた