君が為に日は昇る

知らせによる幕府軍の数はおよそ二百。
百が騎馬。百が歩兵で構成された隊だと言う。


対して黒間の男衆の数は百程度。戦えない子供や老人を外せばその数は半分になる。


明らかに分が悪い。


「どうするんだ頭領!このままじゃ全滅する!」

「逃げよう!山を越えればなんとかなる!」

「頭領どうするんだ!」

「頭領!」

源五郎の家に集まった男衆は口々に意見する。怖面の男衆が見る影もなく情けない声をあげている。


黙って話を聞いていた源五郎はひとしきり思案した後、口を開いた。


「…奴らを迎え討つ。正面突破して逃げるぞ。」


ざわめき。
幕府軍相手に正面突破などまともな考えじゃないと、男衆が反論を口にし出す。


「黙って聞けぇ!!」


一喝。場の喧騒が静寂に変わる。


「確かに数でいえば相手は倍以上だ。だが一点集中でまとまって突撃すれば打ち破れない数じゃあない。」


それと、と付け加えるように言葉を続ける。


「女子供、老人は安全に山に逃がす。ある程度時間稼ぎは必要だがそこは俺に策がある。」


男衆は最早黙って源五郎の話に耳を傾けていた。
各々が目を閉じ思案している。