君が為に日は昇る

街に近づく夕闇。


戦いは徐々にその激しさを増していった。力で勝る幕狼に策を巡らせ対抗する連合。


多数の犠牲を出しながらも双方は譲らず、血で血を洗う戦いは続く。


そして川のほとり。夕陽を照り返し、穏やかに流れる水が弾け飛ぶ。


橋を渡る幕狼の一団。それを橋下に隠れ潜んでいた連合の一団が奇襲したのだ。


足場からの突然の攻撃に幕狼は驚愕。更に橋を囲むように陣を組んだ連合の兵。


最初は連合優勢に始まった戦いだった。しかし地力で勝るのはやはり幕狼か。


瞬く間に一人。また一人と前衛を斬られ、連合の勢いが完全に止まっていた。


━か、勝てない。勝てるはずがない。


連合の兵は思わずも諦めの念を抱いていた。


橋の上、互いに背中を預け合い牙を剥く狼の群れ。そこには付け入る隙が無い。


最初の奇襲で形勢が決まっていれば。思い虚しく手出しすら出来ずにいる。


━情けない。このまま切り抜けられてしまうのか…!


悔しさに唇を強く噛み締める。


それは狼が遂に獲物を狩り出さんと動きを見せた時だった。