君が為に日は昇る

━こいつぁ強ぇ。間違いなく俺が今までやり合った中でも一番だ。


風が撃ち抜き迫る鉄塊。身体を捻り後ろに反らす。


━それでも退くわけにゃいかねーのよ。


手を変え品を変え、これでもかと鉄塊は降り注ぐ。


━皆死んでった。昔からの仲間なんかもう真田しか残ってねぇ。


鼻先を霞める鉄塊。だが上条は下がらない。


━無駄死にじゃねぇ。無駄死になんかにさせちゃならねぇ。


僅かに被弾。肩の肉が持っていかれる。それでも前に、進み続ける。


━最期まで戦い、勝つ。全て終わるまで見届ける。それから俺は死ねばいい。

━あいつらの変わりに、最期までよ。

━俺が下がったら!進み続けたあいつらに!申し訳が立たねぇんだ!


高鳴る心臓。腕にうまく力が伝わらない。動きが、鈍る。


━感じる。気持ちが高ぶる。否、これは恐怖、か。


眼前に近づく上条の姿に、直木は戦慄した。


身を焦がすような殺気、そして圧力。只でさえ巨躯な上条の体が更に大きく、巨人の如く映る。


そして直木は。


「ははっ!はははははははははははははははははははははははは!!」


狂ったように笑い出す。