君が為に日は昇る

ただその表情はすぐに無愛想なものに移り変わる。


腹立たしい限りだ。己の宿敵とさえ見定めた男がこんなものなのか。否、そんなはずはない。


叩きつけたのは確かに必勝の一撃。頭を弾き飛ばす位の衝撃を籠めたはず。


だが上条は派手に吹き飛んでいる。


「いつまで寝たふりをしている!上条政次!」


若干の興奮を交え叫ぶ。つまりはそういうことだ。


「へっ。まぁそう言うない。これでも割りかし効いてんだぜ。」


何事も無かったように軽々と跳ね上がり、立ち上がる上条。


しかし鼻からは真っ赤な血がとめどなく滴り落ち、紫に変色。まず間違いなく折れているだろう。


「丈夫な身体に生んでくれた親に感謝しねぇとな。」


そう言って彼はけらけらと笑う。勿論丈夫さでどうなるような攻撃ではない。


━確かめてやりますよ…。


直木にはなんとなく上条がやったことが解った。だが確信ではない。


正体に確信を持ちたい。その為に彼は再度鉄塊を上条に向け撃ち出す。


━もしそんなことが可能だとすれば。


風を切り裂き唸りを上げ、上条に迫る鉄塊。


━最高に嬉しいじゃないですか!