君が為に日は昇る

ずしりとした感触。身体が硬直する。


男に組みついた清蔵の無防備な背中。そこに刃が突き立てられたのだ。


「あがくな虫けら…!潔く死ねっ…!」


焼けるような痛みが走る。身体から力が抜けていく。


━痛く…ねぇ。


それでも腕は緩めない。男を押し続ける。


「離せっ…!虫けらっ…!」


男は刃を背から引き抜き、再び何度も何度も突き立てる。


それでも絶対に離さない。


━痛く…!…ねぇ!


背中は真っ赤に染まる。清蔵が身体に力を籠める度、流れ落ちる血液はその勢いを増す。


「この…!いい加減に…?」


鎌を振り続け、流石に疲弊を見せながら男。ここであることに気付く。


━いつの間にここまで移動したのだ…?


正確には移動させられた、だが。男がいたのは最初に立っていた位置。足元に長槍の破片が散らばっているのが見える。


━やっと…きた…。やっと…。


やけに寒い。身体は酷く重たい。目は虚ろに大地を見ている。


そこにあったのは、破壊された長槍の刃。


「まさか…?」


狙いはこれか。男の背筋に冷たく伝わる感覚。