君が為に日は昇る

六人は多少開けた大通りに出てきていた。


あくまでもあの長屋は奇襲の為に選んだ場所。互いに戦い難い。


鎖鎌の特色を活かしてしまう形にはなるが狙い打ちにされるよりはましだ。


「あんたの相手は俺がしてやるぜ。」


まず最初に動いたのは先程まで顔面蒼白だった若者。


年の頃は夜太と同じくらいだろうか。顔に血の気は戻り、しっかりと相手を見据えている。


突き出した長槍の先には直木の配下である一人。綺麗に剃りあげた頭の無表情の男。


無言のまま微笑むと着いてこいと首を動かす。


若者は男に黙って従い後ろを歩き出した。


━上条様に迷惑はかけらんねぇ。俺だってやれるんだ。


彼の眼に恐怖の色は映っていなかった。


「わしらもやりますかのぅ?」

「ちっ…。爺が相手か…。」


追いかけるように老人が動く。


指名したのは同様に配下の一人。頭布を巻き付けた眼付きの悪い男。


先程の二人の後を追うように歩き出す。


━上条殿。御武運を…。


彼の眼に迷いはなかった。


残ったのは上条と直木。なるべくしてなった一騎討ち。


━死ぬなよ。清蔵。喜八殿。